新型コロナウイルスの感染が収まりません。
それに伴って除菌シートの売り上げが伸びています。実際、除菌シートを持ち歩いて、こまめに手指や触れる所を除菌しているという方も多いのではないでしょうか。
ですが、除菌シートには「手指を消毒」や「菌やウイルスを99%除菌」とうたうものも多いのですが、消毒と除菌はどう違うのでしょうか?
また、市販の除菌シートは新型コロナウイルスに効果があるのでしょうか?
今日は除菌シートが新型コロナウイルスに効果があるのか、みなさんの疑問にお答えします。
●目次
1・消毒と除菌は何が違う?
2・除菌シートは新型コロナウイルスに効果がある?
3・新型コロナウイルスの除菌、こんなことで悩んでいませんか?
1・人体に影響がないか心配
2・効果が長続きしない
3・効果があるのか不明
4・費用が高い
消毒と除菌は何が違う?
消毒とは「菌やウイルスを無毒化」することです。
対して除菌とは「菌やウイルスの数を減らす」ことを言います。
一般的に市販されている除菌シートには「手指を消毒」「99%除菌」とありますよね。
実は「消毒」「除菌」と一口に言っても、ウイルスや菌によって有効な成分が違うので注意が必要です。
例えば、新型コロナウイルスには、アルコールが効果的という見方を厚生労働省が出しています。
新型コロナウイルスにはエンベロープという膜がはってあります。アルコールにはこうした膜を破壊して、ウイルスを弱らせる効果があることが解っています。
エンベロープを持つ有名なウイルスですと、インフルエンザウイルスや今回の新型コロナウイルスです。
逆に、アルコールが苦手な菌があることをご存じですか?
アルコールは万能ではありません。
ノロウイルスやロタウイルスといったウイルスに対しては、アルコールは効果が弱まってしまうことがわかっています。
除菌シートは新型コロナウイルスに効果がある?
さて、除菌シートですが一般的に除菌シートに配合されていて手指にも使えるアルコールの成分は2種類あります。
エタノールとイソプロパノールです。
新型コロナウイルスに効果があるとされている濃度は
●エタノールなら60%~95%
●イソプロパノールなら50%~70%
となっています。
濃度や成分の確かなものでなければ、効果が弱い可能性があることを覚えておいてください。
「99%除菌」をうたうものであっても、新型コロナウイルに確実に効果があるかは解りません。
除菌シートを買うさいはぜひ、参考にしてみてください。
また、手指に対しての一番の消毒方法は石けんでの手洗いです。
「除菌シートで拭いたから、手を洗わなくてもいいや」ではなく、外から帰宅したさいは必ず石けんで手を洗うよう心がけてくださいね。
新型コロナウイルスの除菌、こんなことで悩んでいませんか?
人体に影響がないか心配
アルコールが新型コロナウイルスに効果があると言っても、濃度が高すぎるアルコールは人体に悪影響です。
また、新型コロナウイル対策をうたう製品の中には、多量に使用すると人体に影響を及ぼすものがあり、気にしている方も多いかと思います。
選ぶ際には、人体に影響のないものを選ぶようにしましょう。
効果が長続きしない
一般的に、除菌シートなどでの除菌は15秒ほどで、ほとんどのウイルスが除去できますが、新たに付着した菌やウイルスには効果がなく、除菌効果も長続きしないというデメリットもあります。
新型コロナウイルス対策で除菌するなら、効果が持続するものを選ぶことが大切です。
効果があるのか不明
現在は新型コロナウイルス対策として事業所を除菌する業者や除菌グッズが多く出ていますよね。
ただし、効果が本当にあるかというと不明な所が多いもの。
そのため、抗菌・抗ウイルスでの製品を選ぶなら第三者機関による審査が証明されたものを選ぶようにしましょう。
SIAAマークをご存じですか?これは抗菌製品技術協議会のことです。この機関による審査をクリアした製品でなければSIAAマークはつけられません。
費用が高い
新型コロナウイルス対策で除菌をする場合、最近は業者がオフィスごと除菌作業をする例が多くなっています。
ですが、費用が高くて施行できないという方も多いかと思います。
これについては「小規模事業者持続化補助金」という制度を利用すると良いでしょう。
この制度は、新型コロナウイルス対策でオフィスを除菌した場合に、その費用を国が補助してくれるという制度になります。
新型コロナウイルスに除菌シートは効果がある?まとめ
市販されている除菌シートには「99%除菌」と謳ったものもありますが、成分の濃度によっては、新型コロナウイルスへの効果が期待できないものもあります。
また新型コロナウイルスにはアルコールが有効とされていますが、ノロウイルスなど他の菌にはアルコールは効果が弱まってしまいます。
新型コロナウイルスに感染しなかったけれど、他のウイルスに感染した、ということにならないよう、きちんと石けんでの手洗いを習慣にしましょう。
また、新型コロナウイルス対策の一環として除菌を考える場合は
「人体に影響がないもの」「効果が長続きするもの」「効果が第三者機関によって証明されているもの」「費用が高くないもの」を選ぶようにしましょう。